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白くにじむ壁の正体とは?白華トラブルが起きる理由

床の表面に、いつの間にか白っぽい粉のようなものが浮き出てくることがあります。見た目に変化があるだけでなく、掃除してもなかなか落ちず、気になったまま残ってしまう場合もあります。建物を管理する立場では、原因がわからないまま対応に困ることも少なくありません。

このような現象の原因としてよく見られるのが、白華と呼ばれる現象です。主にセメントを使った構造部分で起こりやすく、石材やタイルの表面に白い結晶のようなものが現れます。湿気や気温の変化、素材の組み合わせによっても発生のしやすさが変わってきます。

この記事では、白華の仕組みや発生しやすい状況、放置した場合の影響、そして防ぐための基本的な考え方について解説していきます。建物の状態を長く良好に保つために、事前に知っておきたい内容をまとめました。

 

 

白華現象とは何か?基本を押さえておきたい理由

建物の外壁や床に白い粉のようなものが浮かび上がってくることがあります。この現象は白華(はっか)と呼ばれ、石材やタイルを使った仕上げで見られることがあります。目立つ場所に発生すると、仕上がりに違和感が出てしまい、建物の管理を行う上でも気になる要素になります。

 

白く浮き出る正体はなにか

白華とは、コンクリートやモルタルに含まれるアルカリ性の成分やカルシウムなどが、水分に溶けて表面へ移動し、乾燥する過程で結晶として現れる現象です。見た目には粉のように見えるものや、筋状になって表れることもあります。
発生した箇所を清掃しても、表面の成分が残っていると再び現れることがあり、対処の難しさを感じることもあります。

 

白華が発生する条件

この現象は、いくつかの条件が重なって起こります。まず、セメントを使った素材が水分と接すると、その中に含まれる可溶性の成分が溶け出します。その後、溶けた成分が素材の隙間を通って表面まで移動し、空気中の炭酸ガスと反応して白い結晶を形成します。
施工したばかりの時期や、雨風の影響を受けやすい構造部分で起こりやすく、乾燥と湿気が繰り返される場所では目立ちやすくなります。

 

白華と濡れ色現象の違い

似た現象として、濡れ色と呼ばれる状態もあります。これは、水分に溶けた成分が表面に出きらず、石材の内部にとどまっている状態です。見た目には色が濃くなったように見え、まだ白い結晶が現れる前の段階とも言えます。
どちらも素材と水分、そして空気との関係から生じるものであり、構造に深刻な影響を与える前に、早めに状況を見極めることが求められます。

 

 

白華によるトラブルでよくある症状

白華現象が発生すると、見た目の変化だけでなく、建物の維持管理にも影響が出てくる場合があります。初期の段階では表面の違和感にとどまることが多いものの、状況によっては資材や構造に負荷をかけてしまうこともあるため、注意が必要です。

 

見た目の劣化による印象の変化

石材やタイルの表面に白く筋が出てしまうと、仕上げ当初の美しさが損なわれてしまいます。特に目立つ場所に広がった場合には、施設全体の印象にも関わるため、来訪者や入居者への印象にも影響することがあります。
建物の見た目を整えていても、部分的に白華が残っていると全体が古びた印象に見えてしまうこともあります。

 

定期清掃では除去できない残留物

発生した白華は、表面を軽く洗うだけでは落ちにくく、繰り返し浮き出てくることがあります。素材の内部から成分がじわじわと移動してくるため、目に見える部分を清掃しても完全には除去できないことがあります。
そのため、清掃作業を行っても再発を繰り返し、管理の手間が増えてしまうという声も少なくありません。

 

放置による構造や施工面への影響

表面に現れている白華をそのままにしておくと、見た目だけでなく施工部分の耐久性にも関わる恐れがあります。たとえば、目地の劣化が進んだり、隙間から水が入り込むことで内部の素材が傷みやすくなることがあります。
見つけた時点で早めに状態を確認し、必要があれば専門的な対応を検討することで、トラブルの広がりを防ぐことにつながります。

 

 

白華の原因とメカニズムを理解する

白華は偶然起きるものではなく、素材に含まれる成分や水分の動きによって生じる現象です。起きる仕組みを知っておくことで、表面的な処理だけでは解決できない理由が見えてきます。

 

セメントに含まれる成分の影響

この現象は、セメントに含まれる水酸化カルシウムやナトリウムなどの可溶性塩類が関係しています。雨や洗浄によって水分が素材に浸透すると、これらの成分が溶けて動き出します。そして表面に達したあと、空気中の炭酸ガスと反応しながら乾いていく過程で、白い結晶として浮き出てきます。
使われている素材の特性によって、発生しやすい条件が整うこともあります。

 

水分の移動と気候条件が関係する理由

構造内で水分が移動しやすい環境にあると発生しやすくなります。例えば、水が溜まりやすい場所や排水が不十分な構造では、素材の中に水が残りやすくなります。そこから徐々に成分が表面へと移動し、乾燥によって結晶化して現れます。
特に寒暖差が大きい季節や乾燥が進む時期には、このような変化が目立ちやすくなります。

 

施工直後から始まっていることもある

完成したばかりの現場でも、数週間から数か月のうちに白華が見られることがあります。これは、施工時に含まれていた水分や、素材に含まれる成分が反応し始めた結果として起こるもので、必ずしも施工の不具合とは限りません。
時間が経ってから気づくことも多いため、変化があった場合には落ち着いて原因を見極める必要があります。

 

 

誤った対処がトラブルを悪化させることも

白華は目につきやすいため、早く取り除きたいという気持ちが先行しがちです。ただし、見た目だけを整える処置を繰り返すと、根本的な原因が残ったままになり、逆に状態が悪化してしまうことがあります。対処の仕方によっては、素材自体を傷めてしまうこともあるため、対応は慎重に進める必要があります。

 

表面だけの洗浄では再発を防げない

白い結晶が目立ってくると、まずは清掃を試みることが多いかもしれません。ですが、表面を拭き取っただけでは、内部からの成分の移動を止めることができず、時間が経つと同じ場所に再び白華が現れることがあります。
表面だけをきれいにする方法では、根本的な解決にはつながらないため、発生の原因にまで目を向ける必要があります。

 

強い薬剤の使用による二次被害

市販の洗浄剤の中には、石材に適さない成分を含むものもあります。たとえば酸性の薬品は一時的に白華を除去できたように見えても、表面を傷めてしまい、光沢が失われたり色むらが生じたりすることがあります。
見た目の改善を急ぎすぎると、素材本来の質感が損なわれる恐れもあるため、成分への影響をよく確認したうえで対応することが求められます。

 

対応の判断を誤らないために

見た目の変化が気になったときは、まず現場の状況を落ち着いて確認することが大切です。素材の種類や、施工時の仕上げ方法によっても、原因や対処方法が異なるためです。
経験のある業者に相談すれば、見えていない部分の状態まで含めて確認ができるため、余計な修復を避ける手がかりになります。

 

 

白華への正しい対策と再発防止の考え方

白華を繰り返さないためには、見えている症状だけを取り除くのではなく、発生の原因そのものを抑える考え方が必要です。成分が表面に出てくるまでの流れを断つことが、長期的な予防につながります。

 

発生の根本を抑える必要性

表面に現れる白華は、セメントに含まれる成分が水に溶け、素材の内部から移動してきた結果です。そのため、外側をきれいにするだけでは再発する可能性があります。水の通り道を断ち、内部で成分が動きにくい状態をつくることで、繰り返し起きるのを防ぐことができます。
表面的な処理よりも、原因に対して丁寧に対処する意識が大切です。

 

吸水を防ぐための保護処理

水が石材やタイルの内部に浸透しにくくすることで、白華の発生を抑えやすくなります。吸水を抑える処理には、素材の表情を損なわず、石材の呼吸を妨げない製品を使いましょう。
目に見えない部分の処理ではありますが、日々の清掃や雨の影響を受けにくくするため、表面だけでなく内側の状態にも目を向けた対策が重要になります。

 

AD-コートによる実例とその効果

実際の現場では、吸水を抑える目的でAD-コートという処理剤を使うことがあります。この処理により、水分が表面から入りにくくなり、内部で成分が移動する流れが抑えられます。さらに、透湿性があるため、内部に残った水分も自然に抜けていきます。
新築時の施工や、すでに白華が起きてしまった場所の再発防止にも使われており、現場の状況に応じて判断しながら活用されています。

 

 

株式会社ライフワークの白華対応と実績

白華は発生した時点で見た目に変化を与えるだけでなく、放置すれば管理や維持にも影響することがあります。素材の特性や施工環境を見極めながら、一つひとつの現場に向き合い、再発を防ぐための処理を提案しています。

 

現場調査なしでも対応できる理由

状態の把握にあたり、現地に出向かず写真での確認を行う場合があります。現場に負担をかけずに進められるこの方法は、経験を重ねた上で判断ができる環境があるからこそ取り入れているものです。
ただし、実際に目で見て確認する必要があると判断した場合は、現地調査を行っています。状況に応じた対応を心がけています。

 

施工時に意識している再発防止の工夫

白華の処理にあたっては、洗浄や研磨だけでなく、水分の動きを抑える処置もあわせて行っています。たとえば、吸水防止層をつくることで、石材内部への水の侵入を抑え、成分の移動を少なくするようにしています。
使用する材料は、見た目の風合いを損なわないように配慮しながら選んでいます。表面だけでなく、内部の変化にも対応できるよう、施工からメンテナンスまでを一体で考えています。

 

他社で困難だった案件にも対応した事例

これまでの施工の中には、繰り返し白華が発生し、処理を断念された場所の再対応を行ったこともあります。時間が経ってしまった状態でも、段階的に洗浄と保護を施すことで、見た目と機能の両面に配慮した状態に戻してきました。
作業では、ダイヤモンドパットをポリッシャーに装填し、水を使用しながら研磨を行います。研磨時に発生する汚水は、バキュームクリーナーで吸引して丁寧に回収しています。現場の状況を保ちつつ、仕上がりにも配慮した対応を続けています。

 

 

まとめ

白華現象は、石材の表面に白く浮かび上がる見た目の変化だけでなく、素材内部で起きる水分や成分の動きが関係しています。原因を理解しないまま対処すると、再発を繰り返してしまうこともあります。

見た目を整えるだけの処理ではなく、吸水を抑える保護処理や、施工時から再発を想定した処置を施すことが、長く良好な状態を保つためには欠かせません。

株式会社ライフワークでは、白華の発生や再発に悩む現場に対し、現地調査だけでなく写真による確認も行いながら、状況に応じた対応を行っています。施工では、ダイヤモンドパットをポリッシャーに装填し、水を使って丁寧に研磨しながら、汚水はバキュームクリーナーで吸引・回収するなど、作業の進め方にも配慮しています。

これまでの実績の中には、他社で対応が難しかった現場を再度整えた事例もあり、積み重ねてきた経験と技術を生かした対応を行っています。まずはお気軽にご相談ください。

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石材の美しさを保ちつつ、滑り止め工事で安全性もアップ!

石材の床や壁は、空間に上質な印象を与える素材として多くの建物に使われています。自然な風合いや重厚感が魅力ですが、その表面は雨や清掃後などに濡れると、足元が滑りやすくなることがあります。見た目には問題がなくても、滑りやすさが原因で思わぬ転倒につながることもあるため、安全面への配慮が欠かせません。

とはいえ、安全性を高めようとするあまり、石材の美しさが損なわれるのではないかと心配される方もいるかもしれません。石の質感や色合いは、空間全体の印象にも関わるため、そのままの表情を保ちたいと感じるのは自然なことです。

この記事では、石材本来の見た目をなるべく変えずに、足元の安全性を高めるための滑り止め工事について紹介します。

 

 

滑り止め工事が必要とされる理由とは

石材の床や階段は、美しさだけでなく耐久性にも優れていますが、使用環境によっては滑りやすくなることがあります。とくに外部に設置された部分や、人の往来が多い場所では、思わぬ事故につながるおそれがあります。

 

転倒事故のリスクを防ぐために

雨の日や床が濡れている状態では、石材の表面が滑りやすくなります。つまずいたり足を取られたりすることで、転倒につながる可能性が高まります。高齢者や小さなお子さんがいる場所では、わずかな段差や濡れた床も事故の要因になりやすいため、早めの対策が求められます。
滑り止め工事を行うことで、表面に細かな凹凸をつけて摩擦を高めることができ、足元の不安を軽減できます。事故の防止という視点からも、定期的な見直しが大切です。

 

雨天や清掃後に滑りやすくなる場所

建物の出入口や通路、屋外階段などは、雨水が入り込みやすい場所です。また、日常的に清掃が行われる共用部では、水拭き後に滑りやすくなる場面がよくあります。乾燥までに時間がかかる場合や、使用頻度の高い場所では、事故のリスクが高まります。
とくに石材は、水分を含むと質感が変化しやすく、表面の摩擦も落ちる傾向があります。こうした場所に滑り止め処理を加えることで、安全な状態を保ちやすくなります。

 

高齢者や子どもへの配慮として

歩行時に注意が必要な方が多く利用する建物では、床の滑りやすさが大きな問題になります。小学校や高齢者施設、マンションのエントランスなどでは、滑り止め処理が安全対策の一つとして取り入れられることが増えています。
わずかな段差や傾斜でも、足元が不安定になりやすい方にとっては、滑りやすさが転倒につながる要因になります。見た目を保ちながら安全性を確保できる施工が求められています。

 

 

石材における滑りやすさの原因

美しさと耐久性を兼ね備えた石材も、設置場所や使用状況によっては滑りやすくなることがあります。事故を防ぐためには、なぜ滑るのかという原因を知っておくことが大切です。

 

表面仕上げと摩擦係数の関係

石材の仕上げ方法によって、表面の摩擦の程度は大きく異なります。光沢を出すために磨かれた石材は見映えがしますが、濡れると足元が不安定になりやすくなります。水が加わることでさらに滑りやすくなるため、通行が多い場所では注意が必要です。
一方、凹凸のある加工がされた石材は、乾いているときも濡れているときも、比較的滑りにくい状態を保ちやすくなります。ただし、用途やデザインとの調和を考えた仕上げが求められます。

 

水や油、苔による影響

滑りやすさは、水や油分、さらには苔の付着によっても引き起こされます。屋外に使われている石材は雨水の影響を受けやすく、時間が経つと表面にぬめりが出ることがあります。また、油が落ちやすい場所や湿気がこもる場所では、苔や藻が発生しやすくなり、足を取られる原因になります。
日常的な清掃だけでは対応しきれない場合もあり、滑りにくい状態を維持するには、こうした汚れがつきにくい処理も合わせて考える必要があります。

 

経年劣化による変化

設置から年月が経つと、石材の表面が徐々に摩耗し、元の質感が変わってくることがあります。初期には摩擦を生む細かな凹凸があっても、長く使ううちに滑らかな状態へと変わり、歩行時に滑りやすくなる場合があります。
さらに、繰り返しの使用や風雨の影響によって、表面に細かな汚れが蓄積しやすくなります。見た目では分かりにくいことも多いため、状態の変化に気づいた時点での対応が重要です。

 

 

滑り止め工事の主な方法と特徴

石材の床を安全に保つためには、使われている場所や素材の状態に応じて適した施工を行う必要があります。

 

微細な凹凸をつける滑り止め処理

石の表面に細かい凹凸をつけることで、摩擦を生み出しやすくなります。この方法は、施工後も見た目の変化が少なく、自然な仕上がりになる点が特長です。表面が濡れても滑りにくくなるため、人通りの多い場所でも活用されています。
凹凸の加工は、素材に合わせて強さや深さを調整しながら進められます。石の印象を損ねにくく、使う場所の雰囲気をそのまま保ちたいときにもおすすめです。

 

コーティング剤を使用する方法

防滑効果のある専用の液剤を表面に塗る方法もあります。この施工は比較的短時間で終えることができるため、早く仕上げたい場合に使われることがあります。
ただし、定期的なメンテナンスや塗り直しが前提になるため、持続的に安全性を保つには状態の確認が欠かせません。また、光沢や質感がわずかに変わることもあるため、事前に仕上がりを確認しておくと安心です。

 

場所や素材に応じた適切な工事方法

施工の方法は、設置されている場所の性質や使用されている石材の種類によって変わります。たとえば、屋外で雨にさらされやすい場所では耐久性が重視され、屋内では美観との調和が求められます。
石材に詳しい施工業者であれば、素材の特徴を見極めたうえで、適した方法を提案できます。見た目と安全性の両方を考えながら、丁寧に対応する姿勢が大切です。

 

 

石材の美観を損なわない工夫

滑り止め工事は安全対策のひとつですが、石材の印象を変えたくないと感じる方も少なくありません。特に見た目を重視する場所では、施工の方法や仕上がりに配慮が必要です。

 

見た目を変えずに安全性を高める技術

表面に細かな凹凸をつける方法は、摩擦を高めつつも、光沢や色合いへの影響を抑えることができます。周囲の景観になじみやすく、元の質感を損なわない点が特徴です。
特にエントランスや屋外階段など、見た目に気を配りたい場所では、違和感が出にくい施工が求められます。このような技術は、見た目と安全性の両立を図りたい場面で使われています。

 

研磨や保護処理との併用でさらに美しく

滑りにくくする処理に加えて、石材表面の研磨や保護剤の塗布をあわせて行うことで、見た目の仕上がりをより整えることができます。くすみやシミが気になる場合は、研磨によって本来の質感を取り戻す作業が有効です。
作業では、ダイヤモンドパットをポリッシャーに装填し、水を使用しながら丁寧に磨き上げます。出た汚水はバキュームクリーナーで吸い取り、施工中も清潔な状態を保ちます。

 

適切なメンテナンスが美観維持の鍵

施工後も長く良い状態を保つためには、定期的な清掃や点検が大切です。砂や汚れが蓄積すると、せっかくの仕上がりが損なわれてしまうこともあります。
また、滑り止めの効果が少しずつ弱まってくる場合もあるため、状態の変化に気づいたときは、早めに対応することが大切です。小さな積み重ねが、美しさと安全性を維持することにつながります。

 

 

滑り止め工事を検討すべき場所とタイミング

石材の滑り止め処理は、どこにでも必要というわけではありません。事故が起きやすい場所や、使用頻度の高い空間などに絞って対策を行うことで、無駄なく安全性を高めることができます。

 

エントランスや外構の石材床

建物の出入口や玄関部分に使われている石材は、雨水の影響を受けやすく、濡れると滑りやすくなることがあります。特に屋外の床材は、素材によっては濡れた状態で大きく摩擦が低下するため、注意が必要です。
滑りやすさを感じる場面がある場合は、早めの対応で転倒リスクを減らすことができます。目立ちにくい処理で安全性を加えられるため、見た目に影響が出にくいのも特徴です。

 

清掃後に滑りやすくなる共用部

マンションや商業施設の共用廊下、ロビーなどは、定期的な清掃が行われる場所です。床が濡れたままの状態が続くと、滑りやすくなる傾向があります。見た目に問題がない場合でも、日常的な使用環境によっては安全性が下がっていることもあります。
転倒が起きる前に処理を施すことで、安心して利用できる環境が保たれます。目につきやすい場所では、仕上がりの自然さにも配慮した施工が求められます。

 

事故発生前の予防的対応が重要

すでに滑りやすさを感じている場所はもちろん、これから雨が多くなる季節や人の出入りが増えるタイミングで、安全対策を見直すことが役立ちます。事故が起こってからでは対処が遅れることもあるため、兆候があるうちに処理を行うことで、安心感が得られやすくなります。
また、高齢者や子どもが利用する施設では、転倒によるけがのリスクが高まります。素材の状態や周囲の環境を見ながら、状況に応じて対策を進めることが大切です。

 

 

株式会社ライフワークの滑り止め工事の特長

石材の状態を保ちながら安全性を高めるには、素材への理解と丁寧な作業が欠かせません。滑り止め処理においても、美観と機能の両方を意識した対応が求められます。

 

石材の専門知識を活かした施工

長年にわたり石材に関わってきた経験から、素材ごとの性質や仕上げ方の違いを見極めたうえで処理方法を決めています。たとえば、磨き仕上げの大理石や、屋外に設置されたタイルなど、それぞれの素材に合った施工を選ぶことで、自然な仕上がりを実現しています。
使用する方法は、薬剤に頼らず微細な凹凸を物理的に施すものが中心です。これにより、表面の質感を損なわずに滑りにくさを加えることができます。

 

目立たず自然な仕上がりに

安全性を高めながらも、見た目への影響を最小限に抑えた施工を心がけています。光沢や色味が変わりすぎると全体の印象に影響が出るため、施工後も自然な風合いが残るように作業を進めています。
屋外や人目の集まりやすい場所でも、違和感のない仕上がりが求められることが多く、表面の反射や質感に細かな配慮を加えながら施工内容を調整しています。

 

写真による事前確認と柔軟な対応

事前の確認は、現地に足を運ばずに写真で対応することも可能です。石材の状態や施工範囲を画像から判断し、おおよその施工方法や費用の目安を伝えることで、効率的なやり取りがしやすくなります。

もちろん、必要に応じて現地での確認にも対応しています。素材の状態や使用環境に合わせて、柔軟に進められる点が強みです。

 

 

まとめ

石材は空間全体の印象を引き立てる反面、濡れた状態では滑りやすくなることがあります。とくに出入口や外構、清掃の頻度が高い場所では、転倒を防ぐための対策が求められます。

滑り止め工事には、表面に細かな凹凸をつける方法や、防滑剤を用いる方法などがあり、石材の種類や使用場所に応じて使い分けられています。いずれも素材の風合いをなるべく損なわずに安全性を高めることが可能です。また、研磨や保護処理と組み合わせることで、見た目も整えながら仕上げることができます。

事故が起こる前の段階で適切な処理を行うことで、長く安心して使える状態を保つことにつながります。すでに滑りやすさが気になる場所がある場合には、一度状態を確認しておくと安心です。

株式会社ライフワークでは、石材の性質を踏まえたうえで、美観と安全性の両立を目指した滑り止め工事を行っています。事前に写真での確認にも対応しており、現場の状況に応じた柔軟な対応が可能です。まずはお気軽にご相談ください。

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美しい艶がよみがえる!ダイヤモンドパットを使った大理石研磨の実力とは?

大理石は、その美しい光沢と上品な質感で空間に高級感を与えてくれます。ただ、使い続けるうちに少しずつ艶がなくなってきたり、なんとなくくすんだように見えたりすることがあります。毎日目にする場所だからこそ、こうした変化は気になりやすいものです。

特にビルやマンションのエントランス、商業施設の床などでは、人の出入りが多く、摩耗や汚れが蓄積しやすいため、見た目の印象にも大きく影響してしまいます。

そんなときに検討されるのが、ダイヤモンドパットを使った大理石の研磨です。素材を傷めずに艶をよみがえらせるこの方法は、長年大理石を使ってきた方々にも選ばれています。この記事では、大理石がくすんでしまう理由や、研磨で美しさを取り戻す方法について詳しくご紹介していきます。

 

 

大理石がくすんでしまう原因とは?

大理石は天然石ならではの上品な艶と模様が魅力ですが、年月の経過とともにその美しさが失われていくことがあります。くすみや曇りが目立ってくると、空間全体の印象にも影響が出るため、管理やメンテナンスに関わる方にとっては見過ごせない問題です。こうした変化には、いくつかの要因が関係しています。

 

経年劣化による艶の低下

使い始めた当初は美しく輝いていた表面も、時間の経過とともに徐々に摩耗していきます。特に人の出入りが多い場所では、目に見えないほどの細かな擦れが積み重なり、表面の艶が失われていきます。気づかないうちに艶が鈍くなり、大理石特有の深みのある光沢が感じられなくなることがあります。

 

日常的な摩耗やキズ

日々の清掃や荷物の出し入れ、家具の移動など、何気ない行動でも大理石には小さなキズが付きやすいものです。こうしたキズが重なると、光の反射が乱れてしまい、表面が曇って見えるようになります。小さな摩耗の積み重ねが、全体のくすみに繋がっているケースは少なくありません。

 

薬品や水分によるダメージ

一見丈夫に見える大理石ですが、実際にはとても繊細な素材です。酸性の洗剤や飲み物などが付着すると、表面の成分と反応して溶け出し、変色やシミの原因になることがあります。雨水や湿気などの水分によっても同様の現象が起こるため、適切な扱いが求められます。

 

適切なメンテナンス不足

どれほど高品質な素材であっても、定期的な手入れを怠ると美観を保つのは難しくなります。専用の保護剤を使用せず、通常の掃除だけで済ませていると、細かい汚れが積もり、摩耗やシミが進行してしまいます。大理石は見た目以上にデリケートなため、状態に合わせたケアが欠かせません。

 

 

ダイヤモンドパットとは何か

大理石の艶が失われたとき、素材を傷めずに輝きを取り戻すには、研磨による手入れが効果的です。中でも、人工ダイヤモンドを使用した専用のパットは、石の質感を保ちながら艶を引き出せる点で広く利用されています。薬品に頼らず、物理的に磨き上げるこの方法は、繊細な石材との相性が良く、美観の維持に役立ちます。

 

研磨用パットの基本的な構造

使用されるのは、微細な人工ダイヤモンドの粒子を樹脂や金属などに固定した構造のパットです。非常に高い硬度を活かして、表面の汚れや小さな傷をなめらかに整えることができます。種類も豊富で、手作業に適したものから、専用機器に装着するタイプまで揃っています。

 

天然石との相性の良さ

大理石のような柔らかい石材は、力を加えすぎると削りすぎてしまうリスクがあります。その点、人工ダイヤモンドの粒子は均一に研磨できるため、余計なダメージを与えることなく、艶だけを丁寧に引き出すことが可能です。素材本来の風合いを損なわず、自然な仕上がりに導けます。

 

目の細かさによる仕上がりの違い

番手の異なる研磨材を段階的に使い分けることで、艶の質に差が出ます。粗いものは汚れやキズの除去に適しており、細かいものほど滑らかな仕上がりに向いています。この順序を守って丁寧に磨くことで、光を美しく反射する表面に整えることができます。

 

他の研磨方法との違い

表面の光沢を手軽に出す方法として、薬品を使うケースもあります。ただし、化学反応による処理は石材の性質に影響を与えることがあり、仕上がりが安定しないこともあります。一方で、研磨によって仕上げる方法は、石の持つ自然な美しさを引き出しつつ、素材への負担を最小限に抑えられる点が大きな利点です。

 

 

ダイヤモンドパットによる大理石研磨の手順

大理石の輝きをよみがえらせるためには、単に磨けばよいというものではありません。仕上がりの美しさを左右するのは、手順の正確さと作業の丁寧さです。ダイヤモンドパットを使用した研磨では、まずダイヤモンドパットをポリッシャーに装填し、水を使用しながら研磨します。そこで出てくる汚水はバキュームクリーナーで吸引し回収します。
こういったいくつかの工程を段階的に行うことで、滑らかでムラのない光沢を生み出すことができます。

 

研磨前の準備と確認事項

作業を始める前に、まず大理石の状態を細かく確認します。シミや欠け、目立つキズがある場合は、それらに対する補修や下処理を行う必要があります。また、周囲にある家具や壁、装飾品などをしっかり養生し、研磨作業による飛散や振動から守ることも重要です。使用する機材や水分の量も、石材の種類や状態に合わせて調整します。

 

段階的な番手の使い分け

研磨の工程は、目の粗いパットから始まり、徐々に細かい番手に変えていくのが基本です。粗い番手では、表面にある傷や汚れを削り落とし、石肌を整える作業が中心となります。その後、中番手で微細な段差やザラつきを滑らかにし、仕上げ段階では細かい目を使って艶を引き出します。この順序を守ることで、均一で美しい光沢が得られます。

 

仕上げ磨きと艶出しの工程

最終段階では、目の細かいパットを使用しながら、水分量や圧力を丁寧に調整しつつ、光の反射が均一になるよう磨き上げていきます。この時点で表面にわずかな凹凸が残っていると、仕上がりにムラが出てしまうため、動かし方や時間配分にも細心の注意が求められます。しっかりと時間をかけて磨くことで、鏡面のような光沢に近づけることができます。

 

研磨後の保護とメンテナンス方法

研磨が完了したあとは、その美しさを長持ちさせるための保護処理が欠かせません。吸水を防ぐコーティング剤を塗布することで、シミや濡れ色現象の発生を抑える効果が期待できます。また、定期的な清掃やメンテナンスも重要です。研磨直後の状態をできるだけ維持するには、専用の中性洗剤や柔らかいモップなどを使った日常的なケアが有効です。

 

 

専門業者に依頼するメリットと選び方

大理石の艶がなくなってきたとき、「きれいにしたいけど、どこに頼めばいいのか分からない」「費用が高そうで不安」と感じる方も多いのではないでしょうか。確かに研磨は専門性の高い作業ですが、信頼できる業者に依頼すれば、見た目の美しさだけでなく、長持ちする仕上がりも期待できます。

 

仕上がりの美しさと品質の安定

研磨はただ磨くだけではなく、石の状態を見極めながら最適な方法を選ぶ必要があります。経験のある業者であれば、使用する機材や研磨の強さ、水の量まで細かく調整しながら作業を進めてくれます。そのため、仕上がりにムラが出にくく、全体が均一に艶やかになります。自分で行う場合や、慣れていない業者に頼んだ場合と比べると、その差ははっきりと感じられるでしょう。

 

トラブルを避けるための確かな知識

大理石はとても繊細な素材です。洗剤や道具の選び方を間違えると、かえって傷をつけてしまったり、変色の原因になったりすることもあります。専門業者は、石材ごとの性質を熟知しており、それぞれに合った研磨方法や薬剤を見極めて施工してくれます。万が一のトラブルにも柔軟に対応できるため、安心感が違います。

 

費用だけで判断しないことが大切

費用が気になるのは当然ですが、見積もりの金額だけで選んでしまうと、仕上がりや耐久性に満足できないケースもあります。質の高い施工をしてもらえれば、再度の研磨までの期間を延ばすことができるため、長い目で見るとコストパフォーマンスに優れた選択になります。価格だけでなく、施工内容やサポート体制にも注目してみてください。

 

信頼できる業者を選ぶためのポイント

依頼先を探す際は、まず施工実績や専門分野を確認しましょう。石の状態によって、具体的な施工内容を提案してくれる業者であれば、信頼性は高いといえます。また、使用する研磨材や施工後のメンテナンス方法についても、わかりやすく説明してくれるかどうかが判断のポイントです。不安なことがあれば、遠慮なく質問してみるのも良い判断材料になります。

 

 

美観を保つための大理石メンテナンスのコツ

せっかく美しく研磨された大理石も、日々の使われ方やお手入れ次第で、その輝きが長く保たれるかどうかが変わってきます。特に人の出入りが多い場所や湿気の多い環境では、ちょっとした油断が汚れやくすみの原因になることも。高価な素材だからこそ、日常的なメンテナンスを丁寧に続けることが、長く美しさを楽しむための秘訣です。

 

定期的な清掃のポイント

掃除の基本は、こまめに汚れを取り除くことです。砂ぼこりや靴底のゴミが蓄積すると、擦り傷の原因になります。柔らかいモップやマイクロファイバークロスを使って、乾いた状態でやさしく拭き取るだけでも効果的です。水拭きをする場合は、必ず硬く絞った状態で使用し、水分が表面に残らないように注意しましょう。

 

汚れやシミを防ぐ日常対策

大理石は酸や油分に弱いため、飲み物や食べ物をこぼしたときは、すぐに拭き取ることが大切です。とくにレモン汁やワイン、洗剤などは表面を傷める原因になるため注意が必要です。マットやラグを敷いて直接触れる面積を減らす工夫も、日常的な汚れ対策として有効です。

 

湿気や気候による影響を抑える工夫

湿度が高い環境では、石の中に水分が染み込んで濡れ色現象やシミを引き起こすことがあります。特に梅雨や冬場は、通気性を確保することが大切です。換気を定期的に行うほか、除湿機や送風機を活用して、空間の湿気をコントロールすると効果的です。

 

適切な保護剤の選び方

表面をコーティングすることで、水や油の染み込みを防ぐことができますが、保護剤の選定にも注意が必要です。大理石専用の吸水防止剤や中性タイプのコーティング剤など、素材に適したものを選ぶことが大切です。市販品を使う場合でも、事前に目立たない場所で試してから使用すると安心です。

 

 

株式会社ライフワークによる大理石研磨の特長

大理石の艶を取り戻すためには、石の状態や設置環境に合わせたきめ細かな対応が必要です。株式会社ライフワークでは、長年にわたり石材と向き合ってきた経験をもとに、落ち着いた仕上がりと持続性を重視した研磨を行っています。特別なことをしているわけではありませんが、石を傷めず丁寧に整えていく作業を、確かな手順で積み重ねています。

 

ダイヤモンドパットを使った安心の施工

使用しているのは、人工ダイヤモンドの粒子を利用した研磨用のパットです。薬品ではなく物理的な手法によって艶を引き出すため、大理石に不要な負担をかける心配がありません。強く削りすぎることなく、くすみや細かな傷を落ち着いた質感に整えていく方法です。表面だけを無理なく整えることができるため、多くの石材に適しています。

 

補修からシミ抜きまで対応できる技術力

石材の表面には、シミや欠け、色むらなど、さまざまな変化が現れることがあります。そうした現象にも一つひとつ丁寧に対応できるよう、研磨に加えて補修や洗浄、保護処理も行っています。日々のメンテナンスまで含めた総合的なサポートを心がけており、単なる研磨作業にとどまらず、できる限り状態の安定を目指しています。

 

他社では難しい案件にも対応

これまでには、他の業者で断られた現場や、十分な仕上がりが得られなかったというご相談をいただくこともありました。確実な方法を一つひとつ試しながら、少しずつ改善していくことで対応してきた例もございます。派手な技術ではありませんが、できることを確実に積み重ねる姿勢を大切にしています。

 

30年の実績があるからこその信頼感

創業以来、石材と向き合って30年が経ちました。施工そのものだけでなく、その後の状態を保つことまで含めたご提案を続けてきたことが、少しずつ信頼につながっているように感じています。これからも、一つひとつの現場に丁寧に向き合いながら、石の美しさを長く保てるようお手伝いしてまいります。

 

 

まとめ

大理石は、空間に上品な印象を与えてくれる魅力的な素材ですが、年月とともに艶が失われたり、表面にくすみや傷が目立ってきたりすることがあります。特に共用部や人通りの多い場所では、その変化が早く現れる傾向があり、定期的な手入れが欠かせません。

光沢を取り戻す方法として、ダイヤモンドパットを用いた物理的な研磨は、素材に余計な負担をかけずに美しさを引き出せる点で優れています。薬品に頼らないため、施工後も大理石本来の質感を損なうことがなく、安心して任せられる方法として選ばれています。

仕上がりの質や耐久性を考えると、専門知識を持つ業者に依頼することで、より安定した結果が得られます。状態に合った施工内容を提案してもらうことが、納得のいくメンテナンスにつながる第一歩です。

株式会社ライフワークでは、長年にわたり石材に携わってきた経験を活かし、大理石の研磨や補修、シミ抜きといった多角的な対応を行っています。見た目の美しさを整えるだけでなく、その後の状態維持までを見据えた作業を大切にしており、丁寧な対応を心がけています。
また、御費用を抑えて頂くために、写真を送ってもらい確認しています。調査が必要な場合のみ現地にお伺いしています。

状況に応じて、最適な方法をご提案いたします。
まずはお気軽に、ぜひ一度ご相談ください。

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白御影石床の染み汚れ

施工前

施工前1

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ライムストーン外壁の汚染 洗浄とコーティング

施工前

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施工後

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白華現象対策

白華現象対策|石材の美しさを蘇らせるメンテナンス術

E-1施工前

A.白華現象とは?その原因とメカニズム

<1>カルシウムなどミネラル成分が表面に浮き出るしくみ

<2>濡れ色現象との関係と進行過程</h3>

<3>発生しやすい環境と条件(水分、湿度、施工方法など)

B.白華現象をセルフケアするための基本メンテナンス

<1>こまめな水分拭き取りと換気の重要性

<2>酸性洗剤+柔らかいブラシによる定期清掃

<3>身近な酸性洗剤による軽度除去法の注意点

C.専門的な白華除去の方法と施工工程

<1>白華現象が発生している原因を確認する

<2>中性薬剤や除去剤による化学的分解除去

<3>白華除去と研磨による表面のツヤ再生

<4>強制乾燥など高度な技術

D.再発を防ぐ予防対策としての白華防止コーティング

<1>浸透型吸水防止剤の効果

<2>石材裏面処理と排水・勾配対策

<3>設計段階での勾配、水抜き、笠木設置による抑制策

E.石材の種類や状況に応じた対策の選び方

<1>吸水性が高い石材・溶岩石への対応ポイント

<2>浴場・外構・玄関など発生場所別の留意点

<3>既存の汚れや摩耗の程度による適切な処置法

F.株式会社ライフワークによる白華現象への対応例

<1>事前診断から研磨・薬剤処理・コーティングまで一貫対応

<2>「石の医者」の専門技術で風合いを残しながら白華を除去

<3>錆石の風合い演出や保護処理などデザイン性も考慮した施工

G.まとめ

湿気の多い場所や外構に使用されている石材に、いつの間にか白く浮き出るような汚れが現れた経験はありませんか。これがいわゆる「白華現象(エフロレッセンス)」と呼ばれるもので、石材の美観を損なうだけでなく、放置すると素材の劣化にもつながる可能性があります。

特に玄関アプローチや外壁、浴場など、水分と接する機会が多い場所では、この白華現象が発生しやすくなります。日々の清掃では取り切れないこの現象に、どのように対処すればよいのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、白華現象の基本的な知識から、原因、セルフケアの方法、専門的な除去技術、そして再発を防ぐための対策までを丁寧に解説します。石材本来の美しさを取り戻し、長くその魅力を保つために、正しい知識と対策を身につけていきましょう。

A.白華現象とは?その原因とメカニズム

石材やレンガ、タイルなどの表面に白く粉を吹いたような跡が見られる現象を「白華現象(エフロレッセンス)」と呼びます。これは見た目の問題だけでなく、素材そのものに水分が入り込んでいる証でもあり、長期間放置すると石材などの素材そのものの劣化を早める要因にもなります。多くの場合、目地材やモルタル、コンクリートなどに含まれる成分が水とともに石材内部を移動し、表面で乾燥して結晶化することで発生します。

<1>カルシウムなどミネラル成分が表面に浮き出るしくみ

白華現象の主な原因は、モルタルやセメントに含まれるカルシウムなどの無機塩類です。雨水や湿気によって石材内部に浸透した水分が、これらの成分を溶かして表面に運び、乾燥とともに結晶化します。白い粉状または膜状の物質が浮き出るように見えるのはこのためです。特にコンクリート基材の上に敷かれた石材で発生しやすい傾向にあります。

<2>濡れ色現象との関係と進行過程

白華と同様に「濡れ色現象」がありますが、これは石材表面の一部または全体がが湿気で濡れ色で黒ずんで見える現象です。どちらも水分が関与する点で共通しており、濡れ色現象が長く続いたのちに、白華が発生するケースもあります。内部の水分移動が頻繁であったり、乾燥と湿潤が繰り返されることで、白華現象が促進されることがあるのです。

<3>発生しやすい環境と条件(水分、湿度、施工方法など)

白華は、湿度が高く、水はけが悪い場所で特に発生しやすい現象です。また、石材を貼り付ける際の施工方法によってもリスクが左右されます。たとえば裏面処理がなされていない場合や、排水設計が不十分な場合、水分が石材内部に滞留しやすくなります。こうした条件が重なることで、白華の発生が促進されるのです。季節的には梅雨や冬など乾燥と湿潤が繰り返される時期に多く見られます。

B.白華現象をセルフケアするための基本メンテナンス

白華現象は一度発生すると完全に消すのが難しい場合もありますが、初期段階での対応や日常のメンテナンスを行うことで、進行を抑えたり、再発を防ぐことが可能です。特別な機材を使わずにできるお手入れ方法も多いため、まずは自分でできる範囲のセルフケアを習慣にすることが大切です。

<1>こまめな水分拭き取りと換気の重要性

白華現象の原因は主に水分によるものです。石材表面や周囲に水が溜まりやすい環境では、白華が発生しやすくなります。そのため、雨が降った後や洗浄後には、しっかりと水気を拭き取り、湿気がこもらないよう換気を心がけることが効果的です。特に屋内や半屋外空間では、定期的に空気を循環させることがポイントとなります。

<2>中性洗剤+柔らかいブラシによる定期清掃

白華がうっすらと浮かんでいる段階であれば、中性洗剤を使用した簡単な掃除で対応できることがあります。ぬるま湯に中性洗剤を少量加え、柔らかいブラシやスポンジで優しくこすり洗いを行います。このとき、強く擦りすぎると石材表面を傷めてしまうため、あくまで表面に付着した白華を優しく取り除くイメージで行うことが大切です。

<3>身近な酸性洗剤による軽度除去法の注意点

市販の酸性洗剤を使って白華を落とす方法もありますが、石材の種類によっては化学反応を起こして変色したり、表面を傷める恐れがあります。使用する前には、目立たない箇所で試してから行うようにしてください。また、酸性洗剤を使用した後は、必ず大量の水でしっかりと洗い流すことが必要です。残留成分があると、白華再発の原因になることもあるため注意が必要です。

C.専門的な白華除去の方法と施工工程

白華現象が広範囲にわたっていたり、長期間放置されて結晶が厚くなってしまった場合には、セルフケアでは完全な除去が難しくなります。そうした場合は、専門的な知識と技術を持った施工によって、石材を傷つけずに美しさを取り戻す処置が必要になります。専門業者による白華除去には、化学的な処理から物理的な研磨まで、状況に応じた様々な手法があります。

<1>白華現象が発生している原因を確認する

白華現象はモルタルや目地に水分が供給されると発生します。水分が供給されている原因を推察し、周囲の状況をまず改善する必要性があります。

<2>酸性薬剤や除去剤による化学的分解除去

専門の施工では、石材の性質を考慮した専用の酸性薬剤や中性の白華除去剤を用いて、結晶化した成分を化学的に分解・除去する方法がとられます。これらの薬剤は、一般家庭用のものと比べて浸透力や効果が高く、短時間で効率的に白華を落とすことが可能です。ただし、薬剤の選定や濃度、施工時間には高度な判断が求められるため、安全に作業するには専門の知識が欠かせません。

<3>白華除去と研磨による表面のツヤ再生

白華現象の結晶が石材表面に硬くこびりついている場合や、酸性薬剤での処理だけでは落と

しきれないケースでは、研磨処理が行われます。研磨によって表面の白華を物理的に削り取りながら、元のツヤや滑らかさ、バーナー仕上げや自然石の風合いを取り戻すことができます。大理石や御影石など素材ごとに適した研磨方法を選ぶことで、風合いを損なわずに美しさを再生することができます。

<4>強制乾燥など高度な技術

水分の滞留が白華を引き起こす原因の一つであるため、プロパンバーナーを用いて石材内部までしっかり乾燥させる処理を行い、表面の保護処理までを一貫して行うことで、再発のリスクを大きく減らすことができ、より長期的に美観を維持できる施工が可能となります。

D.再発を防ぐ予防対策としての白華防止コーティング

白華現象は一度除去しても、根本的な原因に対処しなければ再発する可能性があります。特に水分の侵入経路を遮断しないまま放置すると、再び石材の内部でミネラルが溶け出し、表面に浮き出てくることになります。このため、再発防止には石材の専門的な白華防止コーティングが欠かせません。

<1>浸透型吸水防止剤の効果

石材の表面に、浸透性吸水防止剤を塗布することで、石材表面に浸透層を形成し、水分の浸透を大きく抑えながら、裏面から表面に吸い上がってくる水分に対し浸透層の裏面で抑える効果があります。この浸透層は石の呼吸性を損なわず、表面の質感を保ちながら、雨水や湿気の侵入を防ぎます。特に外構や玄関まわりなど、雨にさらされる機会が多い場所では、このような保護処理が白華現象の再発防止に効果的です。

<2>石材裏面処理と排水・勾配対策

石材は表面だけでなく裏面の貼り付けモルタル(バサモル)からも水分を吸収するため、裏面への処理も重要です。施工時に裏面にも浸透性吸水防止剤を施すことで、裏面からの石材への水分移動を防ぎ、白華発生を抑制することが可能になります。(裏面に浸透性吸水防止剤を施すと接着性を阻害しますので、セメント接着剤を使用してください)また、石材を設置する下地の排水設計や勾配を適切に調整することも、水分滞留のリスクを減らす上で欠かせません。

<3>設計段階での勾配、水抜き、笠木設置による抑制策

白華現象は施工後のメンテナンスだけでなく、設計段階からの配慮によっても防ぐことができます。たとえば、外構や壁面に勾配を持たせて水が自然に流れるように設計する、水抜き用の隙間を確保する、上部に笠木を設置して雨水の侵入を防ぐ、乾式工法などの工夫が効果的です。施工時の技術や材料選定も含め、計画段階から白華現象のリスクを見越した対策を講じることが理想的です。

E.石材の種類や状況に応じた対策の選び方

白華現象の発生しやすさや、対策方法は石材の種類や設置環境によって異なります。同じ施工でも素材の特性を理解せずに対応すると、かえって状態を悪化させる恐れがあります。そのため、石材ごとの性質と設置場所の条件を踏まえて、最適な方法を選ぶことが大切です。

<1>吸水性が高い石材・ライムストーン・溶岩石への対応ポイント

砂岩、ライムストーン、溶岩石など吸水性が高い石材は、特に白華現象が発生しやすい傾向があります。このような石材には、施工前の裏面処理や吸水防止剤の塗布が重要です。また、研磨によって表面を滑らかに本磨仕上げておくことで、水分の吸収を抑える効果も期待できます。素材に合った保護処理を行うことで、長期間にわたって美観を維持できます。

<2>浴場・外構・玄関など発生場所別の留意点

石材が使用される場所によっても、白華の出方や対処法は異なります。たとえば、浴場では常に湿気が高いため、排水性能や換気の良し悪しが大きく影響します。外構では風雨にさらされ、玄関まわりでは靴の水分が直接石材に触れるなど、それぞれ独自のリスクがあります。こうした場面ごとの特性を把握し、それに応じた対策を講じることが不可欠です。

<3>既存の汚れや摩耗の程度による適切な処置法

白華以外にも、既に石材にシミや苔、錆が発生している場合には、除去処理の順番や方法に注意が必要です。たとえば、汚れを除去しても、シミや錆が隠れていることがよくあります。状態を見極めた上で、段階的に処置を行うことが成功の鍵となります。

F.株式会社ライフワークによる白華現象への対応例

長年にわたる専門的な経験と技術を持つ株式会社ライフワークでは、白華現象に対しても高度で柔軟な対応が可能です。素材の状態を見極めたうえで、最も適した施工方法を提案し、美観の回復と再発防止を同時に実現します。表面的な処理にとどまらず、石材が本来持つ風合いや個性を活かした仕上がりが期待できます。

<1>事前診断から研磨・薬剤処理・コーティングまで一貫対応

施工に入る前に、まず石材の状態を丁寧に診断し、白華の原因や程度を正確に見極めます。その上で、専用薬剤を使った除去作業や、必要に応じた研磨処理を行い、最後に吸水防止剤コーティングを施します。この一連の工程を一貫して対応できることで、ムラのない仕上がりと安定した品質が保たれます。

<2>「石の医者」として専門技術で風合いを残しながら白華を除去

ただ白華を除去するだけでなく、石材が持つ自然な風合いを大切にした処理が特徴です。削りすぎず、強い薬剤で変色させることなく、素材そのものの良さを引き出す技術力が求められます。特に、大理石や御影石など高級感のある石材に対しては、その美しさを保ちながらメンテナンスを行うことが高く評価されています。

<3>錆石の風合い演出や保護処理などデザイン性も考慮した施工

単なる機能回復にとどまらず、石材のデザイン性や趣を引き出す仕上げも可能です。たとえば、錆石に自然な錆びの色味を加えて、経年の風合いを活かした仕上がりにしたり、コーティングによって濡れ色現象に仕上げることもできます。長く美観を維持できるよう配慮していきます。

G.まとめ

石材に現れる白華現象は、美観を損なうだけでなく、放置することで素材の劣化や再発リスクを招くこともあります。白華現象はセメントに含まれる炭酸ナトリウムなどのミネラル成分が主な原因であり、使用される石材の種類や設置環境によって発生しやすさも異なります。日常のセルフケアとしては、こまめな乾拭きや換気、清掃が効果的です。また、再発を防ぐためには、吸水防止処理や施工段階での排水対策も欠かせません。

頑固な白華や広範囲にわたる症状には、専門的な施工が必要になります。薬剤処理や研磨、強制乾燥、浸透性吸水防止剤コーティングといった多様な手法があり、石材の状態に応じて最適な対応を選ぶことが大切です。

株式会社ライフワークでは、こうした白華現象に対し、石材の持つ自然な美しさを損なわず、かつ再発しにくい施工を実施しています。25年以上にわたり蓄積された専門技術と経験を活かし、「石の医者」として素材本来の魅力を引き出す対応が可能です。石材の白華や変色、汚れ、艶の劣化、滑り止めにお困りの方は、まずはご相談いただくことで、的確な解決策が見つかります。

 

床花崗岩の濡れ色現象

施工前

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施工後

染み抜き洗浄、強制乾燥、濡れ色現象再発防止コーティング

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既存塗膜の剥離洗浄、再コーティング

施工前

既存塗膜が経年劣化で剥離。

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施工後

既存塗膜を剥離洗浄した後、再度、コーティング施工しました。

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大理石床研磨

施工前

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施工後

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床タイルのノンスリップ処理(防滑処理)

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