日別アーカイブ: 2025年10月20日

白くにじむ壁の正体とは?白華トラブルが起きる理由

床の表面に、いつの間にか白っぽい粉のようなものが浮き出てくることがあります。見た目に変化があるだけでなく、掃除してもなかなか落ちず、気になったまま残ってしまう場合もあります。建物を管理する立場では、原因がわからないまま対応に困ることも少なくありません。

このような現象の原因としてよく見られるのが、白華と呼ばれる現象です。主にセメントを使った構造部分で起こりやすく、石材やタイルの表面に白い結晶のようなものが現れます。湿気や気温の変化、素材の組み合わせによっても発生のしやすさが変わってきます。

この記事では、白華の仕組みや発生しやすい状況、放置した場合の影響、そして防ぐための基本的な考え方について解説していきます。建物の状態を長く良好に保つために、事前に知っておきたい内容をまとめました。

 

 

白華現象とは何か?基本を押さえておきたい理由

建物の外壁や床に白い粉のようなものが浮かび上がってくることがあります。この現象は白華(はっか)と呼ばれ、石材やタイルを使った仕上げで見られることがあります。目立つ場所に発生すると、仕上がりに違和感が出てしまい、建物の管理を行う上でも気になる要素になります。

 

白く浮き出る正体はなにか

白華とは、コンクリートやモルタルに含まれるアルカリ性の成分やカルシウムなどが、水分に溶けて表面へ移動し、乾燥する過程で結晶として現れる現象です。見た目には粉のように見えるものや、筋状になって表れることもあります。
発生した箇所を清掃しても、表面の成分が残っていると再び現れることがあり、対処の難しさを感じることもあります。

 

白華が発生する条件

この現象は、いくつかの条件が重なって起こります。まず、セメントを使った素材が水分と接すると、その中に含まれる可溶性の成分が溶け出します。その後、溶けた成分が素材の隙間を通って表面まで移動し、空気中の炭酸ガスと反応して白い結晶を形成します。
施工したばかりの時期や、雨風の影響を受けやすい構造部分で起こりやすく、乾燥と湿気が繰り返される場所では目立ちやすくなります。

 

白華と濡れ色現象の違い

似た現象として、濡れ色と呼ばれる状態もあります。これは、水分に溶けた成分が表面に出きらず、石材の内部にとどまっている状態です。見た目には色が濃くなったように見え、まだ白い結晶が現れる前の段階とも言えます。
どちらも素材と水分、そして空気との関係から生じるものであり、構造に深刻な影響を与える前に、早めに状況を見極めることが求められます。

 

 

白華によるトラブルでよくある症状

白華現象が発生すると、見た目の変化だけでなく、建物の維持管理にも影響が出てくる場合があります。初期の段階では表面の違和感にとどまることが多いものの、状況によっては資材や構造に負荷をかけてしまうこともあるため、注意が必要です。

 

見た目の劣化による印象の変化

石材やタイルの表面に白く筋が出てしまうと、仕上げ当初の美しさが損なわれてしまいます。特に目立つ場所に広がった場合には、施設全体の印象にも関わるため、来訪者や入居者への印象にも影響することがあります。
建物の見た目を整えていても、部分的に白華が残っていると全体が古びた印象に見えてしまうこともあります。

 

定期清掃では除去できない残留物

発生した白華は、表面を軽く洗うだけでは落ちにくく、繰り返し浮き出てくることがあります。素材の内部から成分がじわじわと移動してくるため、目に見える部分を清掃しても完全には除去できないことがあります。
そのため、清掃作業を行っても再発を繰り返し、管理の手間が増えてしまうという声も少なくありません。

 

放置による構造や施工面への影響

表面に現れている白華をそのままにしておくと、見た目だけでなく施工部分の耐久性にも関わる恐れがあります。たとえば、目地の劣化が進んだり、隙間から水が入り込むことで内部の素材が傷みやすくなることがあります。
見つけた時点で早めに状態を確認し、必要があれば専門的な対応を検討することで、トラブルの広がりを防ぐことにつながります。

 

 

白華の原因とメカニズムを理解する

白華は偶然起きるものではなく、素材に含まれる成分や水分の動きによって生じる現象です。起きる仕組みを知っておくことで、表面的な処理だけでは解決できない理由が見えてきます。

 

セメントに含まれる成分の影響

この現象は、セメントに含まれる水酸化カルシウムやナトリウムなどの可溶性塩類が関係しています。雨や洗浄によって水分が素材に浸透すると、これらの成分が溶けて動き出します。そして表面に達したあと、空気中の炭酸ガスと反応しながら乾いていく過程で、白い結晶として浮き出てきます。
使われている素材の特性によって、発生しやすい条件が整うこともあります。

 

水分の移動と気候条件が関係する理由

構造内で水分が移動しやすい環境にあると発生しやすくなります。例えば、水が溜まりやすい場所や排水が不十分な構造では、素材の中に水が残りやすくなります。そこから徐々に成分が表面へと移動し、乾燥によって結晶化して現れます。
特に寒暖差が大きい季節や乾燥が進む時期には、このような変化が目立ちやすくなります。

 

施工直後から始まっていることもある

完成したばかりの現場でも、数週間から数か月のうちに白華が見られることがあります。これは、施工時に含まれていた水分や、素材に含まれる成分が反応し始めた結果として起こるもので、必ずしも施工の不具合とは限りません。
時間が経ってから気づくことも多いため、変化があった場合には落ち着いて原因を見極める必要があります。

 

 

誤った対処がトラブルを悪化させることも

白華は目につきやすいため、早く取り除きたいという気持ちが先行しがちです。ただし、見た目だけを整える処置を繰り返すと、根本的な原因が残ったままになり、逆に状態が悪化してしまうことがあります。対処の仕方によっては、素材自体を傷めてしまうこともあるため、対応は慎重に進める必要があります。

 

表面だけの洗浄では再発を防げない

白い結晶が目立ってくると、まずは清掃を試みることが多いかもしれません。ですが、表面を拭き取っただけでは、内部からの成分の移動を止めることができず、時間が経つと同じ場所に再び白華が現れることがあります。
表面だけをきれいにする方法では、根本的な解決にはつながらないため、発生の原因にまで目を向ける必要があります。

 

強い薬剤の使用による二次被害

市販の洗浄剤の中には、石材に適さない成分を含むものもあります。たとえば酸性の薬品は一時的に白華を除去できたように見えても、表面を傷めてしまい、光沢が失われたり色むらが生じたりすることがあります。
見た目の改善を急ぎすぎると、素材本来の質感が損なわれる恐れもあるため、成分への影響をよく確認したうえで対応することが求められます。

 

対応の判断を誤らないために

見た目の変化が気になったときは、まず現場の状況を落ち着いて確認することが大切です。素材の種類や、施工時の仕上げ方法によっても、原因や対処方法が異なるためです。
経験のある業者に相談すれば、見えていない部分の状態まで含めて確認ができるため、余計な修復を避ける手がかりになります。

 

 

白華への正しい対策と再発防止の考え方

白華を繰り返さないためには、見えている症状だけを取り除くのではなく、発生の原因そのものを抑える考え方が必要です。成分が表面に出てくるまでの流れを断つことが、長期的な予防につながります。

 

発生の根本を抑える必要性

表面に現れる白華は、セメントに含まれる成分が水に溶け、素材の内部から移動してきた結果です。そのため、外側をきれいにするだけでは再発する可能性があります。水の通り道を断ち、内部で成分が動きにくい状態をつくることで、繰り返し起きるのを防ぐことができます。
表面的な処理よりも、原因に対して丁寧に対処する意識が大切です。

 

吸水を防ぐための保護処理

水が石材やタイルの内部に浸透しにくくすることで、白華の発生を抑えやすくなります。吸水を抑える処理には、素材の表情を損なわず、石材の呼吸を妨げない製品を使いましょう。
目に見えない部分の処理ではありますが、日々の清掃や雨の影響を受けにくくするため、表面だけでなく内側の状態にも目を向けた対策が重要になります。

 

AD-コートによる実例とその効果

実際の現場では、吸水を抑える目的でAD-コートという処理剤を使うことがあります。この処理により、水分が表面から入りにくくなり、内部で成分が移動する流れが抑えられます。さらに、透湿性があるため、内部に残った水分も自然に抜けていきます。
新築時の施工や、すでに白華が起きてしまった場所の再発防止にも使われており、現場の状況に応じて判断しながら活用されています。

 

 

株式会社ライフワークの白華対応と実績

白華は発生した時点で見た目に変化を与えるだけでなく、放置すれば管理や維持にも影響することがあります。素材の特性や施工環境を見極めながら、一つひとつの現場に向き合い、再発を防ぐための処理を提案しています。

 

現場調査なしでも対応できる理由

状態の把握にあたり、現地に出向かず写真での確認を行う場合があります。現場に負担をかけずに進められるこの方法は、経験を重ねた上で判断ができる環境があるからこそ取り入れているものです。
ただし、実際に目で見て確認する必要があると判断した場合は、現地調査を行っています。状況に応じた対応を心がけています。

 

施工時に意識している再発防止の工夫

白華の処理にあたっては、洗浄や研磨だけでなく、水分の動きを抑える処置もあわせて行っています。たとえば、吸水防止層をつくることで、石材内部への水の侵入を抑え、成分の移動を少なくするようにしています。
使用する材料は、見た目の風合いを損なわないように配慮しながら選んでいます。表面だけでなく、内部の変化にも対応できるよう、施工からメンテナンスまでを一体で考えています。

 

他社で困難だった案件にも対応した事例

これまでの施工の中には、繰り返し白華が発生し、処理を断念された場所の再対応を行ったこともあります。時間が経ってしまった状態でも、段階的に洗浄と保護を施すことで、見た目と機能の両面に配慮した状態に戻してきました。
作業では、ダイヤモンドパットをポリッシャーに装填し、水を使用しながら研磨を行います。研磨時に発生する汚水は、バキュームクリーナーで吸引して丁寧に回収しています。現場の状況を保ちつつ、仕上がりにも配慮した対応を続けています。

 

 

まとめ

白華現象は、石材の表面に白く浮かび上がる見た目の変化だけでなく、素材内部で起きる水分や成分の動きが関係しています。原因を理解しないまま対処すると、再発を繰り返してしまうこともあります。

見た目を整えるだけの処理ではなく、吸水を抑える保護処理や、施工時から再発を想定した処置を施すことが、長く良好な状態を保つためには欠かせません。

株式会社ライフワークでは、白華の発生や再発に悩む現場に対し、現地調査だけでなく写真による確認も行いながら、状況に応じた対応を行っています。施工では、ダイヤモンドパットをポリッシャーに装填し、水を使って丁寧に研磨しながら、汚水はバキュームクリーナーで吸引・回収するなど、作業の進め方にも配慮しています。

これまでの実績の中には、他社で対応が難しかった現場を再度整えた事例もあり、積み重ねてきた経験と技術を生かした対応を行っています。まずはお気軽にご相談ください。

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